「下の方にいくにつれて反る黒目」これは、「縦長の黒目」にさらにディティールを加えたデフォルメである。「縦長の黒目」は80年代より、ポップで等身の低いキャラクターの表現によく使われており、現在では定着している。
ルーツは諸説あるが、私見では尖った顎と同様、斜め 45℃もしくは横から見た際のキッチュさを正面からも表現し、2次表現に「視覚の同時性」という形で時間軸を内包させた意味で、キュビズム的な物 と想像する。
「下の方にいくにつれて反る黒目」ついては、虹彩がレンズの向こう側にうつわ状に抉れている状態をディティールとして盛り込んだものではないかと想像される。また、眼球表面の湿りや水晶体による屈折表現であるとの説もある。
いずれにせ よそれらをディティールとして盛り込む理由は、視覚的なリアリティの描写の実現ではなく、さらに一歩踏み込んだ、認知処理(アフォーダンス)にお けるリアリティとシズル感の実現であることは間違いない。
(ミュンヒハウゼン出版「萌絵とシュールレアリスム」より)
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